ヘマチンがシャンプーに使用される理由って?ヘマチンの特性と3つのポイント

シャンプーに含まれる「ヘマチン」という言葉を雑誌などで見かけた事がある方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、まず、ヘマチンが何であるのか、どうしてシャンプーに含まれているのか、といった事についてまとめてみました。
ヘマチンってどんなもの?
まず、ヘマチンとは、ヘモグロビンを電気分解すると「ヘム」と「グロビン」に分解される、ヘモグロビンの一種です。
そしてヘムとグロビンをアルカリ処理すると「ヘマチン」と「ヘミン」が産生されるのですが、グロビンから抽出されたヘマチンは、それのみだと安定しないため、再度、グロビンとの合体を試みます。
毛髪の成分の一部であるケラチンは血液中のグロビンと酷似しており、ヘマチンをケラチンに付着させると結合しようとします。
この特性を応用して、ここ最近ではシャンプーの成分として含まれていて、毛髪が傷んでいる部分のケアや、修復効果が期待されています。
ヘマチンにはどんな特性がある?
ヘマチンは、ケラチンと結合すると毛髪の質を保つ作用があり、また毛髪の中に浸透しやすいという特性を持っています。
ヘマチンを多く含んだ毛髪はウェーブ感も出て、髪の手触りも良く、クシ通りも非常になめらかになり、髪の毛自体を健やかな状態へ導くという働きをします。
また、ヘマチンには鉄の一種である「Fe」という成分が含有されていて、この成分は消臭効果が期待できる2価鉄です。なので、頭皮のニオイが気になる方にとっては、その対策の1つとして非常に有効であると考えられます。
さらにヘマチンには、アンチエイジング、育毛効果、白髪予防といった効果が期待できるのですが、中でもアンチエイジングについては定評があります。
その理由としては、本来ヘマチンは酸素を吸収するという機能を持っているため、病気や老化の原因である活性酸素を取り除く作用があるからです。
また、ヘマチンは紫外線を吸収する特性があるので、ケラチンと結合して毛髪が傷んでしまうのをカバーしてくれますし、髪の毛を守るだけでなく残留アルカリの除去効果もあるためパーマやカラーリングをした後のカラーの「持ち」を長くしてくれる効果も期待できます。
といったように、ヘマチンは育毛や抜け毛対策を目的とした製品に開発されてきたのですが、もともとその成分自体が持つ育毛効果に期待されて研究されてきたのです。
あと、毛髪は年を重ねるとともにユーメラニンと呼ばれるメラニンが徐々に減っていきます。ユーメラニンには髪の毛自体の濃度に影響を及ぼすことが分かっており、ユーメラニンが足りないと、白髪が発生する原因になってしまうのです。
そこで着目されたのがヘマチンで、ヘマチンにはユーメラニンを復元させる作用があるという事が確認されており、白髪の改善、予防に期待されているのです。

どうしてヘマチンはシャンプーに使用されるの?
近年ではヘマチンを使用した様々なシャンプーが販売されてきましたが、その理由は、ヘマチンの成分自体がもともと髪の毛との相性が良いからなのです。
そこでヘマチンの毛髪への良い影響をまとめると、まず、髪の毛が生えやすい環境を作る、メラニンを生成し、白髪を守る、また紫外線などのダメージから頭皮を守り、カラーやパーマの持続力をアップする、さらにケラチンと結合して傷んだ髪の毛を補修するといった感じですね。
・髪の毛が生えやすい環境を作る
・メラニンを生成し白髪を防ぐ
・紫外線などのダメージから頭皮を守る
・カラーやパーマの持続力をアップする
・ケラチンと結合して傷んだ髪の毛を補修する
以上のように髪の毛にとって非常に良い事ばかりです。
また、ヘマチンを用いることでカラー剤の発色を良くするため、カラーリングの、前処理として使用されることも多く、最近ではヘマチンやヘマチン配合シャンプーを混ぜたシャンプーを利用している美容室も多いようです。
あと、ヘマチンの副作用については若干気になるところですが、ヘマチンは動物性の血液から摂取した成分を用いていますので、アレルギー反応は極めて低く、限りなく0に近いです。
そういった事もあり、獣肉アレルギーがある場合などは使用を避けていただき、そういったアレルギーがない方であれば安全にご利用いただけます。

某大手化粧品会社で15年勤務。現在はWEBライターとして美容系の記事などを書くお仕事をしています。