アルガンオイルはなぜシャンプーに使われるのか?期待できる効果と作用

アルガンオイル(アルガニアスピノサ核油)は、モロッコで育成されているアルガン樹とよばれる樹の種子オイルのことです。1本の樹から1リットルしか取れない希少なオイルで、昔からモロッコでスキンケア用、食用、化粧用といった形で使用されていました。
この結果、アルガンオイルの日々の摂取および/または塗布が、皮膚バリア機能を回復させ、表皮水分量を維持することによって保水力を改善したことを示唆しました。
2014年に行われたモロッコのモハメド5世大学医学部の検証によると、「60人の女性に60日間アルガンオイルを塗布し一定の日にちごとに経表皮水分蒸散量(TEWL)と表皮水分量を調べたところ、アルガンオイルは経表皮水分蒸散量(TEWL)の有意な減少と表皮水分量の有意な増加をもたらした」という報告があります。
また、アルガンオイルは高い抗酸化作用があり、肌に刺激することなく、潤いを与えることができる天然オイルです。安全性も高く、赤ちゃんに使用するベビーオイルや妊婦さんの妊娠線を予防するための成分としても役立てられています。
つまり、潤いのあるみずみずしい肌を組成させるために非常に効果が期待できる成分で、オレイン酸や必須脂肪酸であるリノール酸、ビタミンA、B、Eを含む多くの機能を持ったオイルなので、さらっと軽い肌触りで、皮膚の弾力をアップさせ、魅力ある美肌へ導きます。
アルガンオイルの脂肪酸組成は、天然成分の抽出となるため国や地域、また時期によっても変わることがあります。20世紀後半からは、アルガンオイルにおけるビタミンEが含まれている量や不飽和脂肪酸量が認められ、食油だけでなく化粧品にも使用されるようになりました。
アルガンオイルの働きと期待できる効果とは?
アルガンオイルは肌に塗って外へでかけても、サンオイルのように日焼けや油焼けをすることはありません。それどころか、アルガンオイルにはSPF5~9程度の紫外線を防止してくれる効果があり、強い日差しから肌を守る働きをしてくれます。
アルガンオイルは抗酸化力が高く、酸化しにくい性質を持っているため、かなり劣化しづらいオイルといえます。アルガンオイルを塗ると皮膚が柔らかくなるため、その後に付ける化粧水が肌の中ににどんどん浸透してくのが分かります。
また、代謝をUPさせるビタミンEが豊富に含まれているため抗酸化力が高く、紫外線によって損傷した皮膚ダメージを素早くリペアする働きもあります。さらに、メラニン色素の定着を防いだり、紫外線の吸収を抑制する働きもあるので、シミ・ソバカスの原因となる日焼けから肌を守ってくれます。
人間の皮脂にも含まれるオレイン酸がたっぷり含まれたアルガンオイルは、肌なじみがよいところがメリットであり、さらりとしたさわり心地で肌なじみがよく、ベタつかないため、すばやく浸透します。
アルガンオイルには、ビタミンEがオリーブオイルの約2~3倍含まれています。美肌をつくる栄養成分「ビタミンE」は、優れた抗酸化作用があることから、若返りのビタミンとも言われ、シミやシワなど肌老化の原因である「酸化」を抑制し、年齢肌対策に優れた効果を発揮します。またビタミンEには、血行の流れをスムーズにして、皮膚の新陳代謝を高める効果もあり、シミやくすみのない透明感のある肌へ導きます。
アルガンオイルに副作用や注意事項はある?
アルガンオイルの現時点での安全性は、10年以上の使用実績で皮膚刺激性はほとんどなし、また眼刺激性の詳細は不明で、皮膚感作性(アレルギー性)についてはほとんどなしという結果が出ています。これらの結果から、化粧品配合量および普通に使用する上においては、一般的に安全性に問題のない成分であるとされています。
オーガニック成分のひとつとしても一般的に知られており、治療薬として使用されてきたという歴史的な背景からも、人の肌に使用して甚大なトラブルの原因になるといった不安はないと言えます。安心して使っていくことができる成分として、新生児や妊婦さんが使用しても問題ないどころが、それを使うこと自体おすすめされているほどです。
ただし、一般的に問題がない場合でも、始めて使用する場合はまず、適合性を確認するために肌の狭い範囲での使用をおすすめします。テスト使用中は、肌に異常が生じていないかよく注意して使用してください。使用中又は使用した後は、肌に異常が見られた場合はすぐに使用を中止し、皮膚科専門医へのご相談をおすすめします。

どうしてアルガンオイルはシャンプーに含まれているの?
アルガンオイルは、肌に保湿力を与えてくれることから、特にシワ対策化粧品や、乾燥肌対策化粧品の成分として使用されることの多い天然オイルです。また、高い抗酸化作用を持ち、皮膚に刺激を及ぼすことなく、潤いを与えてくれる天然オイルでもあります。
そのため、乾燥肌対策やアンチエイジングなどのスキンケアラインから、リップグロスやマスカラといったメイクアップアイテムまで、非常にたくさんの種類の美容商品に配合されています。
またそれだけでなく、ヘアケア製品に使用されていることもよくあり、毛髪を柔軟にしたり、栄養補給や保護をしてくれる特徴から、トリートメント剤やスタイリング剤などにも配合されています。
さらに、枝毛やパサつく髪に潤いを与え、見た目にもツヤを与えてくれるので、傷ついた髪でもまるでヴァージンヘアーのように美しい輝きを取り戻してくれます。
必須脂肪酸量や抗酸化作用のあるフィトステロールがたくさん含まれていることで知られ、モロッコでは昔から火傷などに塗布する治療薬としても用いられてきた歴史があります。

某大手化粧品会社で15年勤務。現在はWEBライターとして美容系の記事などを書くお仕事をしています。